Kyoto KARATE Cafe - 道友をつくろう!

中高年からの空手のススメ 

カキエという稽古方法

中学の時、少林寺拳法を習っていましたが、
その魅力はなんと言っても、剛法(打撃技)と柔法(組技)があることでした。
型の中で、突いたり、蹴ったり、投げたりを稽古します。
空手の場合、どうしても打撃技だけと思われがちだが、
実は空手の型の中にも多くの組技が型に内在します。
年をとって空手を始めた方は、
キレのいい型をやろうとするよりも、
こんな使い方が出来るのかと探求する方が楽しいです。
 
   ◆  ◆  ◆
 
空手の型の中には、様々な動作があります。
型稽古では、打撃力をつけるために、
一つずつの動作に極(キメ)を入れて区切りますが、
区切らないで続けると一筆書のような柔らかい一連の身体動作となります。
普段の競技空手を楷書だとすると、使える技は草書となります。
その草書化された身体動作を利用、応用して組技も学習出来ます。
別々に打撃技や投げ技を学習しなくても、
一つの身体操作を深く理解することによって、
打撃にも組技にも応用しようという発想。
この考え方が、太極拳などの中国拳法の考え方です。
その為に、型の中にあえて投げ技を入れる必要がありません。
 
沖縄空手系では、カキエという独特の稽古法があります。
中国拳法の「推手」のように手を触れあった状態から、
その手を放さずに押し引きして牽制をしあいながら、その最中に技をかけあいます。
 
 
特に、剛柔流では、型の中の柔法の技が多く、
それらを利用しての柔法が世界中で行われています。
と言うか日本だけが取り残されていると言ってもよいくらいでしょう。
 
 
写真は、カキエで剛柔流の初心者用の型「砕破」の中の最終挙動を応用して脇固めに入ったところのものです。
この技自体は反復練習すればこなせるようになりますが、
型が分かっていないと空手ではなく単なる柔術となってしまいます。
そこで、型が先か、技が先かというジレンマが教える側に発生します。
 
私も当初、「型が先」という考えがどうしてもあり、
型を覚えたところまでしか技を教えないという事にしていたが、
そうすると技を知ろうとすると型を全部覚えねばならず、
それこそ何年もかからないと技が練習出来ないという事になります。
それではいつまでたっても私の稽古相手が現れない(笑)。
それでは困ったと思い、剛柔流の型からとりあえず10本柔法の応用分解の基本技を作ってみた。
ちなみに応用分解は、どの型の身体操法からほぼ無制限に作る事は出来ます。
 
  ・撃砕 から1本
  ・砕破 から2本
  ・制引戦から1本
  ・三十六手から2本
  ・四向鎮から1本
  ・十八手 から2本
  ・久留頓破 から1本  の計10本
 
まあ、とりあえずは、これだけやっておけば、
カキエの相手は出来るのと、型を習った時に、様々な応用を独自に研究する素地となります。
但し、間違っても組技系の格技の人と同じに出来ると思ってはなりません(笑
あくまで、打撃系格闘技の余技くらいと考えた方がよいです。
ド真剣の組み技では使えませんので、
相手に掴まれた時とかの護身術程度と考えた方がよいです。
 
Kyoto KARATE Cafeは、原則自主トレですが、
私が稽古をする流れとしては、
まず、①ウォーミングアップで身体をほぐす。、
次に②各々で全身運動である型をやります。
③相手がいれば、ミットなどをもってもらって打撃稽古をやります。
いない場合は、木人やサンドバック相手で打撃稽古をやります。
④その後、カキエで組技や護身術の研究をします。
おそらく、中高年から空手を始めた方は、
このカキエが一番楽しいと思います。
また、時間があれば、⑤最後に軽く社交ダンス変わりに組手や乱撃、
あるいは道具などをすると理想的な稽古体型かなと思います。
 
稽古は、全て軽めの運動です。
ガチで組手をしたり、強さを競ったりという事は一切しません。
また、どちらかというと「強さ」より「健康」に興味があるので、
空手という文化的側面だけを追求しています。
 
まあ、流派も問わず、段位も問わず、競技にも一切関心がないので、
自分勝手に好きなことだけを稽古するというのが私にはむいているようです。